HOME > 新着ニュース

新着ニュース

『私、ひとりで死ねますか 』出版記念会

[ 2018/08/13 ]




 8月8日、東京・文京区の椿山荘で『 私、ひとりで死ねますか 』という書籍の出版記念会が行われた。
この書の副題には「支える契約家族」と謳われているが、“契約家族” とは何であろうか。

 著者の松島如戒氏は1993年、任意後見・生前契約受託機関「りすシステム(Living Support Service)」を興した。利用者の生前事務、後見事務、死後事務などを請け負う日本で初の組織が誕生した。この委任し、受任することで成立する契約上の関係を、血縁家族に対して位置付けたのが “契約家族” である。


 松島氏はそれに先立つ1988年に、東京・巣鴨に高野山真言宗功徳院東京別院、すがも平和霊苑を建立。1990年にはさまざまな事情で墓の維持に困っている人、入る墓のない人に家族・血縁・宗教・国籍などの垣根を越えて死後に納骨できる合葬墓「もやいの碑」を建立している。


fig_01_180815.png

「映像情報メディカル」創刊50周年記念の一環として本書・松島如戒著
『私、ひとりで死ねますか』を、
希望者(社:病院・介護施設)に贈呈させていただきます。

title_180815.png



 末期がんで入院中のMさんは、りすシステムと生前契約を取り交わし、お墓の選定をはじめ死後の始末を済ませてきた。しかし、自分の遺骸の処理や納骨、死後の諸手続きなどはどうしてもできないと、Mさんから難題が持ち掛けられた。『私、ひとりで死ねますか?』と。
 調べてみるとこれらも何とか解決でき、Mさんは願い通り一人で旅立つことができた。この1995年の出来事を契機として幅広い利用者サービスが展開されていくことになった。
 当初、生前契約は「葬儀等の生前契約基本契約」とその名前の通り葬儀に特化する形で、契約者の要望に応えてきた。葬儀には喪主が必要であるが、ひとり生活の契約者には民法897条を拠りどころに公正証書を作成して、りすシステムが喪主を務めてきている。

 生前契約を運用していく中で、認知症が大きな問題になってきた。契約者が意思能力を喪失した場合の契約条項を加えて対応した。国の任意後見制度がまだない時期に一早く対応したが、国の整備ができたのは7年後の2000年であった。老人ホーム入居には身元引受保証人が必要である。また、入院にも保証が必要であり、海外旅行も国内に連絡先を記さねばならない。
 利用者の膨らみ続ける要望を実現してくることで、りすシステムの生前契約は整備されてきた。りすシステムには「利用者はお師匠様」という合言葉があるそうだ。生前契約の25年を節目として書き起こされたのが本書であり、出版記念会はシステムの発案者である「お師匠様」とともに四半世紀を祝う会として催された。


%E5%85%A8%E6%99%AFDSC_0022.JPG


 りすシステムの生前契約は、25年の試行錯誤が産み出したこれまでにない仕組みで、その詳細を知れば知るほど高齢化率25%を超す今日の超高齢社会にはなくてはならない社会機構ということがわかってくる。国が進めている「地域包括支援システム」に “契約家族” という仕組みが組み込まれないと、今後の介護行政は機能しないのではないかと考えるようになった。今回の記念会には、多くの病院を経営する社会福祉法人のソーシャルワーカーが参加していたし、老人福祉施設の経営者も多く参加していた。地域に根ざして医療・介護を進めていくうえで、“契約家族”は欠かせないとの認識は拡がっている証左ではなかろうか。



【お問い合わせ】
特定非営利活動法人 りすシステム
TEL:0120-889-443
http:www.seizenkeiyaku.org/