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脳動脈瘤の発生・成長・破裂に関する研究とニューロリハビリテーション研究   ―臨床医工連携―

[ 2014/03/13 ]
 東京理科大学と東京慈恵会医科大学は12日、東京理科大学神楽坂キャンパスPORTAで、合同記者説明会を開催した。
 東京理科大学工学部第一部機械工学科山本誠教授らの研究グループは、東京慈恵会医科大学脳神経外科村山雄一教授らとともに、4年ほど前より脳動脈瘤の発生・成長・破裂に関する研究を進めてきた。2013年10月には包括契約を結び、脳動脈瘤の診断基準を明らかにすることを目的とした共同研究という段階へ移行している。
 本研究グループは、実験を行わずにコンピュータに数値データをインプットする「数値流体力学」技術と、東京慈恵会医科大学における豊富な脳動脈瘤の症例データを用いて、脳動脈瘤の発生・成長・破裂因子の解明、脳動脈瘤の診断基準の提案、脳動脈瘤における血流挙動の数値的解明、脳動脈瘤における血流の実験的解明を目指している。
 現在までに、200を越える症例に対してコンピュータ・シミュレーションを実施し、脳動脈瘤が成長・破裂する際に鍵となる因子(パラメータ)を明らかにしてきた。患者のCTA画像データに基づくパラメータを調べることにより、より適切な診断を下せると期待している。
 また、動脈瘤が成長する過程やその中の血流の挙動をコンピュータ上で模擬し、脳動脈瘤内の血流状態を示す3次元シミュレーション・診断システムを作製。将来的には全国どの病院でも、客観的な診断基準と治療技術を実現したいとしている。

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◆東京理科大学 工学部第一部機械工学科
 右から
 教授 山本 誠 氏    教授 小林 宏 氏    講師 元祐 昌廣 氏


 脳動脈瘤は、脳内に走る動脈の一部が膨らむ病気で、破裂すれば3分の1が死に至るくも膜下出血を起こす。くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害は、日本における死因の第4位の疾患である。
 東京慈恵会医科大学脳神経外科の村山雄一教授によると、脳動脈瘤があってもすぐに破裂するわけではなく、臨床的には10mm以上の大きな瘤は破れる確率が高く、年間破裂率が10%程度で、5mm以下であると0.5~0.6%であそうだ。小さい瘤はそれほど心配はいらないが、大きいものは放置するという選択肢はないという。脳神経外科医を一番悩ませるのが、5mmくらい瘤(破裂率が1~2%程度)の対応で、ある患者では破裂しないが、ある患者では破裂する。これまでは大きさをパラメータとしてきたが、本研究の流体解析を用いたパラメータが有用なツールになると考えていると、抱負を述べていた。

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◆東京慈恵会医科大学 脳神経外科
 左から
 教授 村山 雄一 氏    助教 高尾 洋之 氏


 研究グループでは、人工歩行器やマッスルスーツなど人間支援ロボットを用いたリハビリにも取り組んでおり、「診断→手術→リハビリ」の医工連携によるトータルケアを確立し、今後はQuality of Lifeの向上に貢献したいとしている。