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『SILENT SCAN』搭載GEヘルスケア製MRIを体験

[ 2013/11/01 ]

GEヘルスケア・ジャパン株式会社が今年9月に発表したMRI検査時の騒音が検査環境音に対してわずか+3 db以下に抑えられた『SILENT SCAN』搭載の同社製3テスラMRIの体験取材を社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷浜松病院(静岡県浜松市)にて行った。

『SILENT SCAN』の発売に先駆けて聖隷浜松病院では、GE社製3テスラMRIが稼働しており、同院 放射線科部長の増井孝之氏は『SILENT SCAN』の臨床評価を行っている。  『SILENT SCAN』搭載のMRI検査を体験したところ、検査中に発生する騒音は皆無に近く、騒音が抑えられたというよりは無くなったといっても過言ではないレベルを実現している。同社によると、騒音をいかに小さく抑えるかという「静音化」への試みではなく、『SILENT SCAN』は「音そのものを発生させない」という画期的な試みを実現した技術となる。これは、今までのMRIとはまったく違ったデータの取り方を採用し、専用の撮像ソフトウェア「Silenz」を用いることで、傾斜磁場コイル(Gradient Coil)をほとんど振動させることなく、撮像していないときの環境音に対してわずか3 db以下という音量でのMRI検査を可能にしたためである。

MRI検査は放射線による被ばくもなく無侵襲の検査であるが、騒音によるストレスがMRI検査の足かせになっていたことは否めなかった。『SILENT SCAN』では傾斜磁場コイルの振動がほとんどなくなったために、音とともに振動もなくなり、騒音の解消だけでなく寝台に伝わる振動による不安感も解消されている。そして、ワイドボアのガントリにより閉塞感も解消され、MRI検査は今までにない快適な検査へ進化していくと期待できる。

“音がしない”『SILENT SCAN』技術だが、検査前の待機音とわずか3db以下の違いしかないために、検査の開始と終了を検査中の作動音で判断することは難しく、こうした環境を踏まえた運用方法は今後必要になってくるかもしれない。しかしながら、従来の騒音や振動に対するストレスから解消されることで、とくに小児や高齢者にとってはMRI検査の敷居が低くなることは確実である。


『SILENT SCAN』を搭載する際には、専用の撮像ソフトウェア「Silenz」と、特殊なRF波形を印加する上で必要となるウルトラRFファーストスイッチングというハードウェアを筐体に組み込み、コイルも同様に高速スイッチングが可能な専用のRFコイルが使用される。

現在、『SILENT SCAN』の臨床評価を行っている増井氏は、T1強調画像のコントラストを非常に高く評価している。また、MRAについては健常者の検査の場合は問題がないとしながらも、健常者でない場合にはさまざまな血流のケースがあるため、今後多くの症例を重ねていき評価していく必要があるとした。


そこで、まずは人間ドックなどでの導入が適応しやすいと考えられており、増井氏は今後シーケンスを広げていき、一般的な健診などに対応するためにもT2強調画像が可能になる必要性を挙げた。理想としては拡散強調画像にも対応していきたいとのことだが、シーケンスの性質上、まだ難しい面が多いという。

GEヘルスケア・ジャパン株式会社は近年、「やさしさと快適さ」をキーワードとした技術開発のコンセプト「Humanizing MR」のもと、今回“MRI検査はうるさい”という今までの常識を変える『SILENT SCAN』の開発に至っている。将来的にはMRI検査に音はしないのがスタンダードになっていくのか、今後の方向性を占う新技術として期待したい。


【お問い合わせ】
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
http://www.gehealthcare.co.jp/