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オリンパス、ソニーと業務提携・資本提携に合意

[ 2012/10/01 ]
 オリンパス株式会社とソニー株式会社は、9月28日、業務提携契約およびソニーを割当先とするオリンパス普通株式の第三者割当増資に関する資本提携契約を締結した。この業務・資本提携の共同記者発表が、10月1日9時半から東京商工会議ビル「東商ホール」で行われた。
 複数の有力企業が熾烈な争奪戦を繰りひろげてきたが、最終的にその座を射止めたのはソニーであった。オリンパスの笹 宏行 社長は、今回の提携とその相手にソニーを選んだ理由を次のように述べた。

 『今年6月に発表した中期ビジョンに基づき、財務体質を強化するとともに、「医療」「映像」といったオリンパスの主力事業領域において、事業シナジーが期待できる提携先候補との業務・資本提携の可能性を幅広く検討してきた。その結果、イメージセンサや画像関連技術において強みを有するソニーとの提携はメリットが大きく、また様々な補完関係も築けると判断した。
 ソニーからの出資を受けることで財務基盤を強化するとともに、今回の提携を通じて、両社の強みを融合し、医療事業では、当社単独で実現が困難だった新たな医療機器を開発し、世界の医療の発展に貢献できると確信している。また、デジタルカメラ事業でも、各々の競争力がさらに加速する形での協業が実現できると考えた』


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 ソニーには、「医療」を中核事業として育てていくことが、ソニーの存続に欠かせないという認識がある。2020年には医療事業で2,000億円を売り上げるという計画を、ソニーは立てている。その1/3が今回の合弁会社の事業、1/3がライフサイエンス事業、残る1/3をこれまで手掛けてきたモニタ、映像記録装置、プリンタなどの周辺機器事業がカバーするというものだ。
 このライフサイエンス事業とは、細胞分析機器などの検査機器であり、すでに「iCyt社」「Micronics社」などを買収している。11月にはSONYブランドの『セルソーター』が上市されることになっている。

 平井社長は、今回のオリンパスとの業務・資本提携はこのための重要な布石であり、ソニーの有するデジタルイメージング、3D(立体表示)、4K(フルHDの4倍を超える高解像度)などの最先端のエレクトロニクス技術を、オリンパスの有する技術、メディカル事業における経験・基盤と組み合わせていくと説明した。その中核になるのが合弁会社である。成長が期待される外科向け内視鏡や関連機器事業において、革新的で競争力のある製品による手術室ソリューションを創出していく。

 新会社は外科内視鏡機器の分野に注力することになるが、内視鏡には、胃カメラとか、ファイバースコープと呼ばれる軟性内視鏡と、開腹などすることなく、お腹などに刺した細い管を通して手術を行う硬性内視鏡がある。後者が外科内視鏡である。前者では、オリンパスが世界シェアの80%を握っている。
 オリンパスは外科用内視鏡も手掛けているが、大きなシェアは獲得していない。また、手術室での使用でないものも多く、新会社には移管しないとしている。


 外科内視鏡手術が増加しているのは、わずかな傷が3~4箇所残る程度で、開腹、開胸しないので“低侵襲治療”と呼ばれている。入院も短くでき、治りが早いために患者に優しい術式である。  ちなみに、昨今話題となっている手術支援ロボット『ダビンチ』は、外科内視鏡の分野の装置である。

 合弁会社は、2020年までにこの外科内視鏡市場(3,300億円と推定)の20%超のシェアを獲得すべく動き出す目標を掲げている。
 外科内視鏡手術は、まさに職人技の世界。細い管の先の患部を正確に把握するには、奥行き感を3Dで確認し、高解像度で患部を捉えたいと医師の要求は強いものがある。3D、4Kという先端イメージング技術への期待は大きい。