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NEDOプロジェクトで東京大学とオリンパス、高機能手術支援ロボット開発

[ 2012/09/14 ]
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マニピュレータ
小型で手術台上の1m角内に5台配置可能。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合機構(NEDO)による「がん超早期診断・治療機器の総合研究開発プロジェクト」における高機能手術支援ロボットの研究開発の中で、胸部外科サブプロジェクトの一員である東京大学とオリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、「胸部外科用インテリジェント手術支援ロボット」技術の開発を担当し、全7自由度※1を有し、ひじに相当する関節を用いて、肋骨などの障害物を避けながら患部にアクセスして操作が可能なマニピュレータ※2と、それを制御する小型手術支援ロボットの試作機を完成させた。

「胸部外科用インテリジェント手術支援ロボット」技術は、体表面に開けた数ヶ所の小さな穴から内視鏡や器具を挿入して手術を行う内視鏡下手術を、冠動脈バイパス術に代表される胸部外科の領域において適用されることを目指し開発した、「マスタ・スレーブ型※3」の手術支援ロボットとなる。

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マスタ・スレーブシステム
3Dモニタを見ながら、多関節を意識せずに自在に操作することが可能。
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ロール関節を有した先端3自由度処置具
指にあたるグリッパーに加え、ロール関節と2つの屈曲関節の3自由度を有し、
関節をひじのように屈曲させた状態でロール関節を用いて針かけ操作が可能。

非常に難易度の高い拍動下冠動脈バイパス術は、内視鏡および器具の挿入角度や作業範囲が肋骨などにより制限も多い。これらの制限下でも内視鏡下手術をより迅速かつ的確に行うことを目的に、オリンパスは物を把持する指に相当するグリッパーに加え、人間の肩・ひじ・手首に相当する7自由度を有したマニピュレータ※2により、ひじに相当する関節を用いて、障害物を避けながら対象部位へのアクセスと操作を可能にした。

本手術支援ロボットは研究開発段階であり薬事未承認品だが、オリンパスは本プロジェクトで開発した技術を基に、さまざまな適用や事業性を含めた実用化に向けて新たなシステムの検討を進めている。価格については、米国Intuitive Surgical社のda Vinciより安価な1億円以下での価格設定を目指している。


※1) 自由度とは、自由に動かせる方向の数のこと。
※2) ロボットの手や腕にあたる部分。
※3) マスタと呼ばれる操作入力装置を操作者が操作すると、スレーブと呼ばれるマニピュレータが、その動きに応じて動作するシステム。