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富士フイルム「高解像度及び高画質X線画像センサー」平成22年度全国発明表彰で「21世紀発明奨励賞」を受賞

[ 2010/08/09 ]
富士フイルム株式会社は、(社)発明協会の平成22年度全国発明表彰において、ノイズの少ない鮮明な乳がん診断画像の描出を可能にした「高解像度及び高画質X線画像センサー」の発明に関し、発明者3名が「21世紀発明奨励賞」を、また法人代表として同社代表取締役社長 古森重隆氏が「21世紀発明貢献賞」をそれぞれ受賞した。

全国発明表彰は、わが国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、独創性に富む優れた発明などを表彰する制度。21世紀発明表彰は、「科学技術的に秀でた進歩性」を有し、かつ特許権などの設定登録後3年以内の発明を表彰対象とするもので、同受賞は同社の「高解像度及び高画質X線画像センサー」の発明が、新たな発展性が期待される特に優秀な発明と評価されたことを示す。

表彰式は常陸宮殿下同妃殿下ご臨席のもと、7月30日(金)にホテルオークラにて行われた。

[ 21世紀発明奨励賞受賞者 ]

阿賀野 俊孝氏(富士フイルム株式会社 フェロー)
今井 真二氏 (富士フイルム株式会社 R&D統括本部 先端コア技術研究所 専門主任研究員)
小川 正春 氏(元富士フイルム株式会社 R&D統括本部 機器システム開発センター 主任研究員)

[ 21世紀発明貢献賞受賞者 ]
古森 重隆氏(富士フイルム株式会社 代表取締役社長)

[ 発明の背景 ]

日本において、年々罹患率が増大している乳がんは「早期診断」「早期発見」が重要といわれている。そのため、乳がん検診用マンモグラフィには、よりノイズの少ない鮮明な乳がん診断画像の描出が求められている。しかし、デジタルマンモグラフィの一般的な読み取り方式であるTFT(薄膜トランジスタ)方式では、画素を微細化していくと電気ノイズが増えて画質が悪くなるため、高精細と高画質を両立させることが困難だった。

[ 発明の内容 ]

同発明では、X線センサーを2層のアモルファス・セレン(a-Se)膜で構成し、被写体を通過したX線をまず第1層で、高効率で電気信号に変換。そして、世界で初めて実用化に成功した「光学式スイッチ技術」により、第2層では、「光」の照射をスイッチとして、電気信号化された画像情報を読み取る(概要図参照)。TFTを用いた従来型FPD(*1)と比べ、読み取りのための電気スイッチ回路が不要で配線もシンプルにできるため、直接変換型FPDで世界最小の50µmまで画素サイズを小さくして解像度を高めることが可能になった。同時に、TFT方式の課題であった読み取り時に生じる電気ノイズを大幅に低減し、高精細と高画質の両立を実現したことで、乳がんの兆候である微小石灰化病変を精確に検出でき、「早期診断・早期発見」が求められている乳がん検査・診断の質の向上に貢献することができる。

[ 実用状況 ]

本発明を実用化した初めてのデジタルマンモグラフィシステムが、平成20年12月に発売した「AMULET(アミュレット)」。AMULETは直接変換方式のデジタルマンモグラフィにおいて世界最小画素50µmの画素ピッチを実現し、ノイズの少ない鮮明な画像で乳がんの早期発見に貢献している。

*1 FPD(フラットパネルディテクタ)とは、被写体を通過して照射されるX線エネルギーを、X線透過画像として再構成するための電気信号に変換する機能を有し、画像診断のために必要な人体の部分を十分に覆う面積の平面をもつ、平板状のX線画像平面検出器のこと。X線をいったん光信号に変換した後に電気信号に変える間接変換型とX線を直接、電気信号に変える直接変換型がある。

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【お問い合わせ】
広報部
TEL 03-6271-2000
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平成22年度全国発明表彰式