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(株)日立ディコ、半導体プロセスによる医用超音波探触子の実用化に世界で初めて成功

[ 2009/05/22 ]
さる5月20日、株式会社日立メディコは同社大会議室(東京・千代田区)にて、世界初となる技術を取り入れた、医用超音波探触子 『Mappie(マピエ)』 の発表会を開催した。

会に先立ち、同社執行取締役社長 浜松 潔氏により挨拶が行われ、同氏は次のように語った。「超音波診断装置において、探触子は最もコアとなる部分です。これまで、理想的な音を出そうと長い期間を費やしプロジェクトを進めてきました。本日発表する探触子は、新しい発想、新しい素材を持ち寄り、日立グループの総力を挙げて開発した、これまでにないまったく新しい技術です。この開発により、さまざまなメリットが得られるようになりました」と語った。

続いて、同社マーケティング統括本部 US戦略本部担当部長 岡田一孝氏により、新開発探触子『Mappie』の開発背景と特長が説明された。

開発の背景として、まず探触子先端の内部構造が解説された。従来の先端部は、振動子、整合層、音響レンズで構成されいる。振動子には圧電セラミックスなどの素材が使用されており、圧電セラミックスでは、パルスの尾引きによる分解能劣化が生じる。この劣化を低減するため、整合層を用いる必要があった。これら振動子と整合層が従来の探触子の課題であった。

同製品は、圧電セラミックスに代わり、世界で初めて半導体プロセスによる、cMUT(capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)技術を採用し、実用化に成功した探触子である。

uMUTは、シリコンウエハ上に微小な太鼓を多数形成されている。そこに電気パルスを与え太鼓を振動させることにより、太鼓の幕が電気パルスに応じて振動し超音波を発するというものである。cMUTは、音響インピーダンスが原理的に人体に近い構造のため、従来の探触子で用いられている整合層が不要になる。そのため超音波信号のパルス信号の劣化が少なく、高分解能の高い画像が得られる。

この半導体ICを用いた技術は世界中で研究されており、超音波のブレイクスルーとなっている。世界に先駆けて開発に成功した同社は、今後、さらに臨床事例を増やし乳腺用探触子にターゲットをしぼり販売する予定とのことである。
『Mappie』
『Mappie』

浜松 潔氏
浜松 潔氏

岡田一孝氏
岡田一孝氏