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第28回医療情報学連合大会/富士フイルムメディカル(株)共催 『既存PACSを用いた施設間連携の取組み』

[ 2008/11/27 ]
さる11月25日(火)、第28回医療情報学連合大会(第9回日本医療情報学会学術大会)(会場:パシフィコ横浜、会期:11月23日(日)~11月25日(火))において、第28回医療情報学連合大会と富士フイルムメディカル株式会社の共催により、『既存PACSを用いた施設間連携の取組み』 と題するランチョンセミナーが開催された。

横浜市立大学附属病院 医療情報部 部長 根本 明宜氏を座長として行われた同セミナーでは、横浜市立大学 医学部 放射線医学 助教 萩原 浩明氏による 『PACSの閲覧権制御による施設間連携システムの開発と課題』、富士ゼロックス株式会社 マネジメントイノベーションオフィス シニアマネジャー 藤本 正代氏による 『経営母体が異なる施設間連携システムにおけるセキュリティ検討と対応』 という2講演が行われた。


はじめに萩原氏は、既存PACSをVPNでつないだ施設間連携システムの研究について講演した。

依頼元施設が依頼先施設に対してアクセス権限を付与し、依頼先の診断医が直接依頼元のPACSを見る形をとる同システムは、①患者単位でアクセス権限を付与するので過去の検査結果もまとめて閲覧でき読影精度が担保される、②既存システム同士の結合のために新たなインフラの整備が不要となりコストパフォーマンスに優れる、などの特長がある。

また、同システムでは画像転送が存在しないため、遠隔画像診断ビジネスにおいてデータセンターを必要としない新しいビジネスモデル構築の可能性がある。さらに、地域連携として利用する際には、ネットワークでつながる施設が増えてくれば、紹介元以外の関連病院から患者情報を得るなどのメリットも出てくる可能性がある。


続いて藤本氏は、施設間連携システムを構築する際の情報セキュリティ管理(特に個人情報保護)に関して、同氏が関わった横浜市立大学附属病院と神奈川県立こども医療センターを中心としたネットワークプロジェクトを例にとって講演した。

同プロジェクトの情報セキュリティ管理は、はじめにリスク分析と技術対策を行うところから始まった。次に、横浜市立大学附属病院においてマネジメント体制の構築や規程の作成を行い、続いて神奈川県立こども医療センターがそれらを参照しながら体制や規程を構築した。最後に、共通でベースラインのセキュリティ対策を行うために、覚書を作成し同意するというプロセスが踏まれた。そうすることで、省力化を図りながら、各施設の体制に合わせた管理形態を構築することが可能となった。

一方で、関連組織内のルールや法規制との整合性チェックなど業務負担が増加することや、連携する医療機関が増えた際に、覚書を作成し同意するというプロセスによる合意形成が困難になるなどの課題も見えてきた。しかし、同氏は講演の最後で 「画像診断医不足の現状を考えると、個人情報漏えいリスクをさまざまなステークホルダーが参加するワークショップなどで明らかにし、技術利用の可能性を継続的に検討することが大切になるのではないか」 と語った。

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根本 明宜氏

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萩原 浩明氏

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藤本 正代氏