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フィリップス、ヘルスケア分野において各機関との連携を提案 自立した生活に向けての将来像

[ 2008/09/26 ]
2008 年9 月10 日開催「日本の医療とホームヘルスヘアの可能性」と題するフォーラム(主催:日本経済新聞、特別協賛:株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン)において、フィリップス デザインのイノベーションディレクター、ミリ・ドゥカンポ・ラーマ博士は、健全で維持可能なヘルスケアの将来像を実現化するための同社のコミットメントについて特別講演の中で言及した。
厚生労働省をはじめとする様々な分野から講演者が出席し、ドゥカンポ・ラーマ博士は急激に加速する高齢化がもたらす問題に着目し、この問題がヘルスケアシステムや医療関係者の負担を増やす原因となること、また、これらの課題解決への戦略について説明した。そして、この領域における近年のフィリップス社のイニシアチブに焦点をあてつつ、持続可能な問題解決法を見出すためには関係者が各自の専門領域を超えて直ちに協力することが不可欠だと述べた。

急速に進んでいる高齢化社会のヘルスケアの将来は、まさに世界が直面している最大の経済的・社 会的緊急課題。最近の統計によるとイギリスでは60 歳以上の人口が史上初めて16 歳以上の人口をはじめて上回った。日本では2020 年までに60 歳以上の高齢者が全体の人口に占める割合は30%以上になると言われており、この数字をみれば治療を定期的に必要とする人々の数は増え続け、それに伴い医療費が膨大に膨れ上がることは目に見えている。「現在の動向を見る限りではここ20、30 年に、今機能しているシステムが我々の将来のニーズに合わなくなるでしょう」とドゥカンポ・ラーマ博士は述べている。

20 世紀には、多くの国でヘルスケアの充実、寿命の延び、そして経済発展は新しい医療問題をもたらしてきた。ライフスタイルや食生活の変化に伴い、急激に慢性疾患やその患者数が世界中で増え、中国やインドなどの発展途上国では経済発展のおかげで多くの人が健康的とは言いがたくも豊かな生活を手にしてきた。事実、1999 年には先進国日本の人口の15%が慢性疾患を抱えており、今後25 年間にその割合は世界中で40%に増加するだろうと言われている。

こうした傾向はますます多くの高齢患者が複雑な病気にかかるという傾向につながる。放置したままだと特別な治療が必要ゆえに自立した生活ができない患者数の激増につながる。つまり働き盛りの若年層が治療やヘルスケアにかかるコストを負担する重荷を背負うことになる。ドゥカンポ・ラーマ博士はこういった負担を軽減するための新しい戦略が直ちに必要だと述べ、これを実現可能にするためフィリップス社ヘルスケア事業部が立案した計画を紹介した。

フィリップス社の計画のスタート地点となり最優先事項としてあげられているのが患者のニーズに継続的に応えていく、つまり患者の世話をする人々のニーズを満たしていく重要性。「私たちのビジョンでは、ヘルスケアはテクノロジーを駆使した、個人を中心に考えた継続的でインテラクティブなプロセスです」とドゥカンポ・ラーマ博士は述べた。「このケアサイクルのおかげで病気予防から検査、診断、治療、モニタリングと健康管理にわたりすべてのステージに気を配ることができるのです。重要なのはフィリップス社が治療の提供される場所で影響力を発揮し、病院から家庭へ広げていくことなのです」。ドゥカンポ・ラーマ博士はこいうったホームヘルスケアシステムの実現によって、初期段階で患者が病気や入院といった悪循環に陥ってしまうことを防ぐだけでなく、疾患を抱えている患者が自己管理をして長く自立した生活ができるようになると語った。これにより患者の生活の質が改善し、ヘルスケアシステムと医療関係者が抱えている負担を軽減することが可能になる。

2005 年以降、フィリップス社は買収やR&Dに50 億ユーロもの投資をし、ホームケア市場の主要プロバイダーとしての位置づけを強化してきた。フィリップス社のヘルスケア製品とテクノロジーは遠隔患者管理をとおしてケアサイクルの3つのステージ-自立した生活を取り戻し、維持し、そして将来の脅威に備えて自立した生活を守り続ける-のサポートを目的としている。主なイニシアチブや買収には以下のようなものがあります。

 レスピロニクス社の買収(日本ではフジ・レスピロニクス):急成長している呼吸器疾患や睡眠障害の家庭・病院ケアのリーダー企業。
 LifeLine 社の買収:24 時間の双方向コミュニケーションでユーザのニーズに応じて即対応可能なパーソナルサービス。これにより疾患を抱えた患者や高齢者が自信を持って自立した生活を長期にわたり続けられるようセーフティーネットを提供する。
 Motiva Disease Management Platform: このシステムは現在オランダ、イギリス、ドイツで試験的に使用されていて、日々ケア提供者と患者のあいだでやりとりができ、データ収集を行い、測定結果を送信し、フィードバックを患者に提供することができる。

ドゥカンポ・ラーマ博士はまた、関係者の専門領域を超えた協力が不可欠だと述べた。「こういった問題に対処するには想像力を駆使し、従来の考え方とは別の視点から検討し、その上で関係者全員が協力することが必要になります。そうしてはじめて健全且つ効果的、そして持続維持可能なヘルスケアの未来像に近づけるのです」。つまりヘルスケア関係者は行動を起こさなければならないのだ。ドゥカンポ・ラーマ博士は、「ただ医療機器を家庭に持ち込むだけでは不十分なのです。家庭でのニーズは多種多様です。健康へのイニシアチブを実施する準備ができている社会ではヘルスケアにおける未開拓分野を開拓する今が絶好のチャンスです。こうした軌道に基づいて新しいビジネスモデルを開発し見直すべきなのです」と強調する。

最後に、ドゥカンポ・ラーマ博士は、政府省庁が患者中心のホームケアシステムを実現化するうえで重要な役割を果たすと述べた。「政府政策によってはますますこうした状況が早く進むことがあります。たとえば必要な安全管理を維持しながらスピードアップをはかる、具体的には可能性大の新しいテクノロジー、製品や薬の承認プロセスを迅速化する、などです。私たち全員がこの問題を抱えているのですから問題の解決には協力が不可欠なのです」。