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Raffineのある風景 ―医療法人白水会 白川病院


医療法人白水会 白川病院


はじめに

岐阜県白川町は、同県の東南に位置する町で、面積の8割強を山林が占める。町内を南北に走る 飛騨川を筆頭に4つの川が流れ、晴れた日には乗鞍や御岳などの山なみを望むことができる、風光 明媚な美しい地である。

この白川町を中心とする加茂郡北部医療の中心拠点が、今回ご紹介する白川病院である。1946 年に開設され、保健・医療・福祉の総合体系 「シラトピア」(白川のユートピア)という考えのもと、 多科にわたる診療体制をもつ医療のみでなく、白川町在宅介護支援センター 「ケアプラン白川」、 白川在宅総合ケアセンター、白川補助器具センター、白川住宅改造体験相談センターを併設し、地 域密着の医療・介護・福祉・保健・健康増進の総合連携を行っている。

同病院ではRaffineが2010年10月26日より稼働を開始した。その導入経緯ならびに使用経験について、同院 診断治療部 放射線科長・細江憲幸氏、診断治療部 放射線科、経営管理部 施設課長(兼務)・野尻 悟氏、診断治療部 放射線科・伊藤信行氏にお話をうかがった。また同病院の理念な らびに活動内容について、理事長・院長の野尻眞氏にインタビューを行った。


需要と供給のタイミングがみごとに合致し、導入決定に

細江憲幸氏、野尻 悟氏、伊藤信行氏
検査室でRaffine をバックに、同院放射線科スタッフの
診断治療部 放射線科長・細江憲幸氏(左)、
経営管理部 施設課長(兼務)・野尻 悟氏(右)、
診断治療部 放射線科・伊藤信行氏(中央)。
医療法人白水会 白川病院では、2010年10月26日よりRaffi neの稼働を開始した。
同院はすでにCT、MRI などが稼働している。「山間部という地域性からもサービススタッフが充実し、メンテナンス対応が速いことが大切」、こう話すのは同院 診断治療部 放射線科長・細江憲幸氏。

X線TVも同社製アナログI.I.装置を使用していたが、11年を経過し老朽化が目立ってきた昨年、デジタル装置への買い換えを決断した。細江氏は当時を振り返る。「すでに病院全体として2001年にDICOMサーバを導入し、画像ファイリングシステムを取り入れていたのですが、X 線TVだけはアナログのまま。デジタイザを使って、1日約30枚のペースでデジタルデータに変換する作業をずっと行っていました」。ところが、そのデジタイザも昨年夏に壊れてしまう。「実によいタイミングだったんです(笑)」

装置選定にあたっては、ポイントを 「予算」 と 「FPDかI.I.DR か」 の2点にしぼり、検討が行われた。「一般撮影もFPDが主流になっている昨今、I.I. はないだろうということで、FPD にすることはすんなり決定しました。そんなときに当院のニーズにフィットする同社製FPD搭載製品(Raffine)発売の情報を得たこともあり、一気に導入が決まりました」(細江氏)。同院 経営管理部 施設課長(兼務)・野尻 悟氏も 「中小病院における需要と供給が、うまくマッチングしたということですね。病院のフィルムレス化が進んでいたことも大きかった。さまざまな面でFPD装置を取り入れるための時期や環境が整っていたということです」 と説明する。


画像処理技術に高評価、さらに今後期待が広がる検査項目

「速攻」で導入が決まったRaffi neだが、「高画質追求については妥協しない、という言葉どおりの高品質には十分に満足しています」(細江氏)。野尻氏も 「同製品導入4ヵ月を経過しましたが、以前より東芝社製品を使ってきたこともあり、装置に対する違和感はありません」 と話す。「I.I.の丸い視野に比較し、FPDの視野は四隅が見えて歪みもなく、大きな画像サイズ(最大2,400×2,400画素)での情報提供が可能となり、より細かく見れる(画素サイズ143μm)のがありがたいですね。たとえば立位充満像で縦長の胃を撮影する際に、胃の全体を入るように調整するのも、じつにスムーズです」

同院ではRaffine導入以来、現在に至るまで健診のほか、ERCPやシャント造影といったさまざまな検査を行っている。「特に市中病院における消化管透視検査は減少しています。(装置を使用する)同検査件数のピークは1990年代初めでした。そのころは注腸検査など大腸癌検査のほとんどが透視撮影で行われる時代で、年間で約800件。その後は内視鏡検査にほとんどが切り替わり、現在は年間200数件までに減ってきています」(細江氏)。しかしそれでも細江氏、野尻氏そして同診断治療部 放射線科・伊藤信行氏が口をそろえて強調するように 「“絶対に必要な検査”であることは確か」 なのである。

同院の主要検査は健診(上部消化管、下部消化管)、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、胸部単純撮影(おもにカテーテル検査における先端部分の位置確認)、そしてシャント造影が挙げられる。「特にシャント造影に関して、当院ではそれまで血管系の検査をいわばワンショットで行っており、タイミングを合わせるのに苦労していました。それがRaffine導入により、最大15枚/秒の連続撮影が可能になったので、導入後すぐに実施してみたのですが、秒いくつかといった細かい設定により、タイミングを逃さずに撮影できました。たとえば鎖骨下静脈が数ミリに細くなった部分まできちんと描出することが可能となり、常勤の血管系の医師が十分満足してくれる結果が得られるようになりました。血管に関しては格段にオーダしやすくなったと思いますし、もちろん消化管撮影にも同様のメリットをもたらしています」 と細江氏。

Raffineには東芝独自の画像処理コンセプトPure-Brainが採用されている。特許技術AdvancedDCF(Digital Compensation Filter)により、黒つぶれや白とびが解消された診断に最適な撮影像、また透視DCFにより、ハレーションのない鮮明な透視像の提供を実現する。伊藤氏は 「フィルムの時代は、しぼり込みを行うことでハレーションを除去するなど、撮影条件を調整するのが大変でしたが、いまはそれらが不要になりました」 と話す。

ほかにも 「胸部単純撮影ではカテーテルの先端部分が高精細に描出されること、そして注腸検査では視野の大きさを自由に調整できるということで、臨床医に非常によろこんでいただいています」 と、野尻氏もRaffineの画像処理機能を高く評価している。さらに、より高精細な透視像を実現するMicroView(マイクロビュー)に関しても 「透視でもガイドワイヤの先端部分まで見える、という機能には将来性、臨床応用への可能性を強く感じます」 と細江氏。「魅力的な価格でありながら、性能は上位機種にも引けをとらないスペックを備えていると感じました」(細江氏)。

細江氏はまた 「同院で将来的に追加したい検査項目」 の展望についても聞かせてくれた。「高齢化が進んでいるという地域の現状を鑑みると、高齢者の嚥下障害におけるVF(Videofl uoroscopic examinationof swallowing:嚥下造影検査)にRaffineを使用することも十分に考えられます」。ST(言語聴覚士)などの条件が整えば 「すぐにも行いたい」 と話す細江氏。「地域医療連携をよりいっそう推進するためにもぜひ必要であり、装置の機能をさらに生かすことのできる、高い可能性をもつ検査として期待したいですね」
野尻 悟氏
同院 診断治療部 放射線科、経営管理部 施設課長(兼務)
・野尻 悟氏。
「たとえば胸部単純撮影でカテーテルの先端部分が高精細
に描出されること、また注腸検査で視野の大きさを自由に
調整できることから、臨床医に非常によろこんでいただいて
います」

細江憲幸氏
同院 診断治療部 放射線科長・細江憲幸氏。
「Raffi ne導入で血管系、消化管系の検査オーダがやりや
すくなったことは確か。将来はVFへの適応も考えています」

伊藤信行氏
同院 診断治療部 放射線科・伊藤信行氏。
「フィルム時代は、撮影条件を調整するのが大変でしたが、
いまはそれらが不要になりました。高画質については文句ありません」



「 “汎用” 装置として理想的モデル」

操作室
操作室。Raffi ne の使いやすさ、高画質については
スタッフ3名が口をそろえて高評価する。
Raffineのもつ環境管理の容易さ、さらにコンパクトな装置というスケールメリットについても細江氏は絶賛する。「寒暖の差が激しい当地域では、冬期の朝、とりわけ検査室が非常に寒いのですが、そんな状況下でもRaffineは空調不要で、通常室温で使用できる点はありがたい。電源オンにして30~40秒で透視撮影が可能なのも、緊急時には有効ですね。そして通電が使用時のみでOKな点も経済的で素晴らしい」。また野尻氏はコンパクト性について「I.I. 装置がなくなったこともあり、圧迫感が消え、被検者、操作者の動線も格段に楽になりました。スペースの有効活用ができるようになり、ストレスがずいぶん改善されました」と話す。

幅広い臨床用途が期待されるRaffineは 「近辺の病院施設からも注目されている」 と語る細江氏。「中小病院ならではの多目的検査対応へのニーズからみれば、さまざまな科の要望に応えられる “汎用” 装置として、Raffineは理想的なモデルではないでしょうか。価格帯、高品質、操作性など中小病院だけでなく、大病院のセカンドマシンとしてもおすすめです」 と締めくくってくれた。


「装置の変化に応じて検査方法も変わっていく」

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検査ワークフローを重視した「使いやすさ」が
追求されている操作卓(左奥にシャウカステン)。
デジタル化によって、検査から診断までの時間が短縮したとは 「必ずしもいえない」 とも、花塚氏は強調する。「決まったパターンで撮られている “健診” の観点からアプローチされる施設が多いなか、当院は“臨床”からのアプローチによる検査を大切にしています。要所は透視像で観察しながら、いろいろな病変を予想し、型どおりの撮影ではない、もう少し深い再現性のある撮影を行っています。各コマに病変が写っており、複数の撮影方向からの病変の範囲と深さを表現したいということ、加えて画像の質に対するこだわりから、フィルム出力においても “画質調整” を行うため、どうしても画像処理に時間をかけてしまっているのです」。氏は続けて、「PACS導入になれば、今まで画像処理に要していた時間が省略されるため、そこで生まれた時間を、さらなる質の向上、検査件数の向上など、有効に活用できればと思います。装置の変化に応じて、撮影方法も変わっていくのでしょう」 とも語ってくれた。

その 「変化」 とは、単なるアナログシステムからの置き換えではない、あくまで臨床に即したデジタルシステムへの変化を意味するのだろう。『Raffi ne』 を活用した今後の展開に、大いに期待したい。



医療法人白水会 白川病院

 
〒509-1106 岐阜県加茂郡白川町坂ノ東5770
TEL. 0574-72-2222(代表) http://www.shirakawahp.com/
E-mail:sirakawa@cronos.ocn.ne.jp
●許可病床数:124(一般病床59、療養病床65)
●開設年月日:1946年5月5日
●医療サービス ・外来:内科、外科、整形外科、泌尿器科、脳神 経外科、 循環器科、消化器科、小児科、神経内科、眼科、歯科、口腔外科、リハビリ 科(理学) ・透析センター:10 床 ・栄養食事指導、服薬指導、画像診断
●保健サービス 人間ドック、健診
●介護サービス 白川町在宅介護支援センター、居宅介護支援事 業所、訪 問看護、居宅療養管理指導、訪問診療(医師・歯科医師・薬剤師 ・管理栄 養士・歯科衛生士)、訪問リハビリ、訪問介護(ヘルパーステーション)、 デイケア(通所リハビリ)、福祉用具貸与、白川町地域包括支援センター

   医療法人白水会 白川病院