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Raffineのある風景 ―医療法人社団榊原厚生会 新宿三井ビルクリニック


第1回_新宿三井ビルクリニック


はじめに

クリニック放射線科技師長・花塚文治氏
「フィルムと比べて遜色ない画像が得られる
と実感しています」
新宿駅西口から徒歩5分に位置する新宿三井ビルクリニック(以下:クリニック)は、「優しさ」 「安心」 そしてきめ細やかな「手作りの医療」をモットーに、1974年10月1日に開設された。外来診療部門とともに設置されている健診センター(以下:センター)では、人間ドックをはじめとする各種健康診断を行っている。

2010年10月1日、センターにFPD搭載デジタルX線TVシステム『RaffineTM』(ラフィーネ)(東芝メディカルシステムズ社製)が導入された。センターは 『Raffine』 のほかにアナログシステム、I.I.-DR システム(計3台)という検査使用システム構成であり、診療放射線技師7名のスタッフ体制で、おもに人間ドックでの上部消化管(バリウム)検査を行っている。またセンターが 『Raffine』 を導入して以来、同装置による検査件数は約1,200(1日平均13件)を数える(2011年1月現在)。クリニック放射線科技師長・花塚文治氏、同 技師長代理・宮﨑博久氏、同 副主任・花城雄康氏に、『Raffine』 の導入経緯ならびに有用性についてお話 をうかがった。 


施設運用概要

クリニック放射線科技師長代理・宮﨑博久氏
クリニック放射線科技師長代理・宮﨑博久氏。
「1枚の画像における情報量の多さに関しては
高く評価できます」
検査(登録・管理)の大まかな手順は、まず検査前日に人間ドックの端末よりCSV形式で患者情報を 『Raffine』 に登録し、検査当日に同装置から患者選択し、検査を行う。

ルーチン検査の手順は食道撮影から開始し立位充満像、二重造影像と続く基本的手順はあるものの、細部に関しては個々の術者の判断に委ねている。「撮る人間の裁量にある程度は任せ、要所は 透視画像で見るようにして、でも型通りに撮るのではなく、あくまで、うまく病変を出せるかどうかが重要だと認識しています」。花塚氏はこのように話す。

現在のところはフィルム運用による診断だが、「PACS化の検討も進めています」(花塚氏)。撮影済みデータはデジタルデータとしても管理し、RAID1採用のハードディスクに一時保存を行っている。ミラーリングで1つの画像を2つのハードディスクに同時に焼き、加えて全症例でブルーレイディスクによるバックアップがなされている。


FPD搭載装置選択により高精細デジタル画像を追求

クリニック放射線科副主任・花城雄康氏
クリニック放射線科副主任・花城雄康氏。
「前々画像でもすぐに引き出せて比較できるのはすばらしい」
センターが 『Raffine』 導入の「決め手」としたのは、どこにあったのだろう。
「FPDシステムとしてはリーズナブルな価格で、購入しやすかった。それは寝台機能を必要最小限 シンプルにしながらも、高画質追求についてはいっさい妥協していない。さらに、寝台機能をはじめ、今まで使ってきたI.I.-DR システムと比べて、それほど使い勝手が変わらない点で、好印象を抱きました。安心・安全という観点からも使い方に大きな違いがあると私たちの作業も煩雑になりますから」と花塚氏は語る。

またクリニック自体の大きな特徴として 「ビル診療所」 という点が挙げられるが、「『Raffine』 は耐 荷重がI.I.-DRシステムに比べて軽く、コンパクトである点も決め手になりました。寝台下部にI.I. のでっぱりがなくなったので、寝台立位の状態で行う患者の呼び入れのときに、特にその空間の広さを実感します」(花城氏)。 「術者、患者の双方にとって、動線が確保できることは大きなメリットですね。また、段つきハンドグリップは受診者から安心して検査できると好評です」(花塚氏)。

フィルム運用施設であるセンターがFPDシステムを選択し、高精細デジタル画像を追求することについて、花塚氏は語る。「今までアナログ撮影でやってきましたので、デジタル化しても自分たちの目に慣れたフィルムに近づけたい、という意識が強いのです。この点では、100万画素の画像だったI.I.-DR から400万画素の画像のFPDに変わることで、フィルムと比べても遜色ない画像が得られると実感しています。特に二重造影像では撮影した画像にズームをかけてフィルム出しを行っているのですが、辺縁のボケが少なくクリアな画像を出せており、画像のコントラストの面でも問題ありません。実は装置導入当初のフィルム出力では、ガス像との重なりなどによる飛びが目立ったのですが、これもパラメータを調整することでかなり改善されたと思います」。設定値を変えながら画像を作り上げていく、いわば「画像第 一主義」こそが『Raffine』導入における最大の決め手となったことは確かだろう。Raffineは、バラ ンスのよい撮影画像を提供するAdvanced DCF(Digital Compensation Filter)により画像に混在する濃淡差を補正し、バリウム検査などでみられる黒/白つぶれを解消する。宮﨑氏も「1枚の画像における情報量の多さに関しては高く評価できます」と話す。

「デジタル装置は、階調や濃度調整を後処理で行えるのも大きな魅力です」 と語る花塚氏。「I.I.の視野の狭さ、小ささに不満があったことは確かです。FPDはI.I. と比較し、四隅が見えて歪みがなく、その広さ、大きさにはメリットを感じます」 と続ける。

加えて 『Raffine』 では33cm×34cm(大角フィルムサイズ相当)という、消化管撮影に最適なサイズを設定することが可能である。このように臨床目的に応じた適切な視野を提供できる点からも、同製品が健診センター施設に多大なメリットをもたらすことは明らかだ。また視野サイズ切り替えが3段階で設定でき、アナログシステムの頃と同じサイズに設定できる点も、先述の 「使い勝手の変わらなさ」 を強く印象づける。


「高性能」 と 「使いやすさ」 を高い次元で両立

検査ワークフローを重視した「使いやすさ」が追求されている操作卓にも注目したい。操作卓右側のライブモニタで透視像・撮影像を確認する。左側のシステムモニタにはグラフィックを多用するなど、直感的に誰でも簡単に操作できる使いやすさが考慮されている。「システムモニタにも同時に撮影像が順番に入っていき、モニタ下方のサムネイル表示で“いま何枚撮った”かが明瞭に把握できるのはよいと思います。当センターの検査では同じパターンで撮らない場合も多くあるので、“検査の進行状況”がすぐに確認できるのはありがたい。同じ部位でも前画像だけでなく前々画像でもすぐに引き出せて比較できるのは素晴らしいですね」(花城氏)。

ほかにもキャリブレーション時のX線曝射が不要である点や、検査室が通常室温かつ使用時のみの通電で十分である点など、ランニングコスト削減も徹底されている。『Raffine』が管理のしやすさ、省エネについて実に深く追求された装置であることが実感できる。

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「装置の変化に応じて検査方法も変わっていく」

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検査ワークフローを重視した「使いやすさ」が
追求されている操作卓(左奥にシャウカステン)。
デジタル化によって、検査から診断までの時間が短縮したとは 「必ずしもいえない」 とも、花塚氏は強調する。「決まったパターンで撮られている “健診” の観点からアプローチされる施設が多いなか、当院は“臨床”からのアプローチによる検査を大切にしています。要所は透視像で観察しながら、いろいろな病変を予想し、型どおりの撮影ではない、もう少し深い再現性のある撮影を行っています。各コマに病変が写っており、複数の撮影方向からの病変の範囲と深さを表現したいということ、加えて画像の質に対するこだわりから、フィルム出力においても “画質調整” を行うため、どうしても画像処理に時間をかけてしまっているのです」。氏は続けて、「PACS導入になれば、今まで画像処理に要していた時間が省略されるため、そこで生まれた時間を、さらなる質の向上、検査件数の向上など、有効に活用できればと思います。装置の変化に応じて、撮影方法も変わっていくのでしょう」 とも語ってくれた。

その 「変化」 とは、単なるアナログシステムからの置き換えではない、あくまで臨床に即したデジタルシステムへの変化を意味するのだろう。『Raffine』 を活用した今後の展開に、大いに期待したい。



医療法人社団榊原厚生会 新宿三井ビルクリニック

 
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