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特集!フィルムレス整形への道 ~整形PACSの未来~


インフォコム社製 整形PACS 『iRad®-OT』 を解明

はじめに

加速するデジタル化の流れの中で、PACSは導入済みでも、完全なフィルムレス化にまで対応している施設は少ないのが現状ではないだろうか。特に整形外科部門はフィルムレス化が進めにくい領域の1つであり、必要に応じてフィルムを出力するなど、PACSとフィルム運用を併用するケースがまだまだ一般的と思われる。

前回、東京大学医学部附属病院整形外科の3氏にご出席いただき、整形外科部門でのフィルムレス化の現状と問題を紹介した。
今回は、日本でも数少ない整形外科向けPACS を開発しているインフォコム株式会社開発担当者に、メーカ側の考えを伺った。


開発~販売に至るまで

坂本氏、高柳氏
左から坂本氏、高柳氏
司会  整形PACS 『iRad®-OT』 の開発のきっかけをお話しいただけます か?

坂本  平成15年に某大学病院に当社のPACS導入が決まり、その仕様の中に整形外科向けの計測ツールが入っていたことがきっかけでした。当時は整形外科関係の知識もノウハウもなかったので、先生方にヒアリングをしながらPACSの機能の一部として開発をいたしました。

司会  当初はどのような機能が実装されたのですか。

坂本  現在は先生方がよく使う計測をできるだけ少ない操作で行える「計測セット」が標準装備されていますが、最初にリリースした機能は、大腿骨骨軸計測や、直線をn等分する、垂線を通すなどの基本機能だけでした。

司会  計測セットが搭載されるようになった経緯を教えてください。

坂本  システム導入時に複数の計測ツールを組み合わせて使用したいとの要望をいただくことがあり、最初からそれらを組み合わせた計測セットを開発したのがきっかけです。使い方としては、目的の計測セットを選択していただくと画像上に表示され、先生方は各ポイントにマウスで合わせていただくだけで計測可能となります。

計測結果は簡単に電子カルテなどへコピーできることも作業効率を高めるポイントです。その後は、ご使用いただいている先生のアドバイスで膝関節関係の計測機能、CE角、Sharp角、Cobb角、すべり率など整形外科部門の特殊計測を計測セットとしてリリースし、現在では約20 種類以上の計測セットが搭載されています。

司会  デジタルテンプレートが搭載されるようになった経緯を教えてください。

坂本  各施設にてご使用をいただくなかで、計測セットの充実よりも、先生方からより強い要望が挙がったのはテンプレート搭載による術前シミュレーション機能でした。ただし、テンプレートの搭載にはインプラントメーカから製品仕様の情報を入手する必要があり、当時は契約なども含めて調整に難航をいたしました。しかし交渉の結果、徐々に各メーカのご協力をいただくことができるようになり、積極的な開発を進められるようになりました。

高柳  現在では8社と契約しており、契約交渉中のメーカも多数ございます。もちろん、導入時には病院様でお使いのテンプレートをヒアリングし、ないものは適宜取り込めるように交渉します。また、デジタル化できたテンプレートについては、必要に応じてすべて、どの病院様にも提供させていただく形態をとっています


現状とiRad®-OTの特長

司会  実際の運用方法や特長はどういったものになりますか?

高柳  販売を開始したのが2009年からで、現在5施設に導入をさせていただきました。フィルムレス化提案を進めるなかで、整形領域はネックになるケースが多くあるため、複数のPACSベンダ様からも、システム連携を含めてiRad®-OT をご紹介いただくケースが飛躍的に増えています。

他社システムとのスムーズな連携や病院様の要望に合わせた運用提案ができることはシステムインテグレータである弊社の特長でありますし、開発が国内であるため、海外製ビューアと比較すると先生方の要望をより反映しやすい製品となっております。

坂本  他社システムとの連携については、すでに電子カルテの著名なメーカや各PACSメーカとの連携実績をもっております。スムーズな運用を考えた場合、PACSビューアとの連携は重要なポイントであると考えます。連携ができない場合、メインビューアを見ていても、弊社のシステムを立ち上げて画像検索を行う必要がありますが、連携していれば、メインビューアからワンクリックで弊社システムを立ち上げ、見たい画像を表示できますので、誤診防止にもつながります。

また、ワークステーションタイプとweb配信が可能なサーバタイプの選択ができるのも特色かと思います。ワークステーションタイプは設置場所でしか使えませんが、web型は診療科、オペ室など院内どこからでも参照が可能になります。

高柳  そうですね。現在一般に使われている整形システムはワークステーションタイプが多く、コスト的にも大きな病院でも1~2台の導入が一般的のようです。何人かの先生方が同時に作業できる環境を提供できる、院内どこからでも参照可能であることは弊社の強みです。
股関節における術前シミュレーション
股関節における術前シミュレーション

脊椎におけるCobb角計測
脊椎におけるCobb角計測



今後の開発について

司会  稼働中の病院から挙がる要望で多いものや、今後の開発についてお聞かせください。

高柳  まず来年1月をめどにテンプレート機能のアップグレードが決まっていますので、現在、リリースに向けた調整を行っているところです。

司会  現在、要望が多い機能はどのようなものですか。

坂本  テンプレート機能にしても、開発当初は実際の臨床画像に予定しているテンプレートが正確に載っていればいいと考えていたのですが、人工関節を動かしたときの可動域計測や術後の移植した周辺の形状解析など、必要な機能はまだあると考えています。先生方からは3Dで見たいという要望も強いですね。いただく要望のなかには研究目的の高度な機能もありますが、開発としてはまず臨床的な要望に沿って、多くの先生方に使っていただけるような機能の開発を優先させていきたいと思っています。


問い合わせ先

インフォコム株式会社
ヘルスケア事業本部 放射線システム部 製品営業グループ
TEL : 03-6866-3790
FAX : 03-6866-3960
URL : http://healthcare.infocom.co.jp/