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本誌立ち読み 「Top インタビュー」     -2009年8月号掲載-


「私の履歴書」 第3回

「GE横河メディカルシステム」 と 「GEヘルスケア バイオサイエンス」 が事業統合し、8月1日から新たなスタートを切ったGEヘルスケア・ジャパン株式会社。今後の事業展開について、またプライベートな部分も含め熱っぽく語ってくれた同社トップの熊谷氏は、きわめてエネルギッシュな、そして実に魅力あふれるリーダーだった。


1. 「GEヘルスケア・ジャパン」誕生のもつ意味

8月1日付の 「GEヘルスケア・ジャパン」 誕生は、日本におけるGEのヘルスケア事業部門にとってエキサイティングな新しい時代の幕開けを意味します。背景には、昨今の厳しい経済環境に加えて、成熟した日本市場という現実があります。たとえ景気が回復しても、中国やインドのような2ケタ成長は見込めない、しかし企業は成長を持続していかなければならない。そのためにどうするか。

戦略は2つです。1つ目は、自社の差別化を図ってシェアアップを図ること、もう1つは新しい市場を創出することです。これら2つの戦略を実現するために、画像診断分野における世界最先端の技術をもつ 「GE横河メディカルシステム」 と、バイオテクノロジー研究領域や創薬分野における最新鋭のノウハウをもつ 「GEヘルスケア バイオサイエンス」 を統合した 「GEヘルスケア・ジャパン」 が誕生したわけです。

「差別化」 とはすなわち、自社の強みを最大限に生かすことです。我々の強みは日本で唯一、細胞レベルの生命科学、ライフサイエンスと画像診断を融合できる点です。統一ブランド 「GEヘルスケア・ジャパン」 のもと、相互のシナジー効果が期待でき、グローバル企業としての強みが今まで以上に日本で生かされることでしょう。

「新しい市場の創出」 という点では、ライフサイエンス分野はこれから伸びる領域ですし、大きな可能性を秘めています。例えば再生医療と画像診断を組み合わせることで、かつてないトータルソリューションを提供でき、新しいニーズの掘り起こしが可能となります。そのため、今まで以上に産学連携にも取り組んでいきます。

高価な画像診断機器は、幅広い用途に応用できた方が投資効率にも優れ、市場も広がります。例えばMRIによるリウマチの早期発見など、既存装置の用途拡大はグローバルな視点から技術開発を生かすことができる強みですね。一方で、日本にしっかりと根を張った研究、開発、製造も積極的に進めることも重要視しています。我々は、日本のニーズに合うソリューションを世界中から集めてくること、さらにそうして結集したソリューションを日本風にアレンジすることが可能なのです。


2. 「ヘルシーマジネーション」 について

世界が直面する最も困難な課題の解決に貢献する企業として、GEは2005年に環境問題に取り組むビジネス戦略 「エコマジネーション」 を全社的に立ち上げました。数多くの成果を挙げ、その認知度も高まった今、それに続く中核戦略として、去る5月に医療問題に取り組むビジネス戦略 「ヘルシーマジネーション」 を発表しました。この戦略では、15%の医療コストの削減、15%の医療アクセスの拡大、そして15%の医療の質向上を目指し、2015年までの間に総額60億ドルを投じて100種類のイノベーションを達成することを目標に掲げています。

推進の中心は当社の所属するヘルスケア事業部門ですが、それ以外にも同じグループ企業であるNBC放送部門での啓発活動や全世界30万人のGE社員の健康増進、新興国での水処理など、実に多種多様な試みがなされる予定です。またこの度の 「GEヘルスケア・ジャパン」 誕生は、 「ヘルシーマジネーション」 の推進を日本で加速させるための組織統合でもあります。


3. 2009年上半期業績ならびに下半期、中長期の見通し

2009年は厳しい年になることが予想されます。特に米国の景気が際立って悪いため、米国向けを中心としてきた輸出は減少すると思います。その分をできるだけ日本国内でカバーし、売り上げを昨年と同等レベルに維持したいと思っています。加えて重要なのは、さらなるコスト削減の徹底です。社員全員が危機感を持って、セーブできるものはセーブし、可能な限り生産性を上げる。

ただ、それだけでは社内が活気に乏しくなり、社員のモチベーションも低下してしまいますから、将来への投資は必ず行う。将来への投資――新製品と新用途の開発は、今後も継続していきます。このことを社員全員が理解してくれれば、 「今の苦しみをみんなで乗り切っていこう」 という雰囲気を作り出すことができると信じています。・・・ <続く>




WEB版はここまでです。続きは 「映像情報メディカル 2009年8月号」 でどうぞ!