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本誌を2 倍楽しむ! トレセン最前線! <第4回>


本誌を2 倍楽しむ! トレセン最前線!<第4回>
本誌映像情報メディカルで連載の 「明日のための医療~トレーニングセンター最前線~」 では、医療の研修を目的とした各施設の取り組みを紹介しています。Web版では、インタビューや本誌では掲載しきれなかった未公開写真をどっさりと紹介します。

※ 施設紹介記事は、7月1日発行の 「映像情報メディカル 2009年7月号」 でご覧いただけます!


e-Learningのスタートはいつからですか?

北村 : e-Learningの定義によって、スタート時期は変わります。ストリーミング配信(動画配信)の開始からとすると、2008年の12月になります。ホームページからのデータのダウンロードが可能になった時期と捉えれば、2006年7月となります。
CDメディアの郵送は4年前から始めています。授業をビデオ撮影したメディアを申し込みのあった会員に郵送するということから始めました。この段階では、学習環境が教室から自宅に変わっただけでした。

木村 : 当初より、多くの会員から学習機会の提供を求められていましたので、その手段として 「在宅学習」 を始めようということでスタートしました。この時点では、アウトカムよりもアウトプットに目がいきがちでした。
その後、CDの郵送、ホームページからのダウンロードと進めていくうちに、アウトカムが望める仕組みの構築が課題となりました。結果、必然的に現在進める仕組みへと収束していきました。
北村氏
北村 善明 氏


e-Learningで重要なことは何ですか?

木村氏
木村 由美 氏
木村 : アウトカムの出せる仕組みづくりです。講義を受けた会員が職場に戻って成果が出せる仕組み作りがポイントです。そのためにニーズを分析し、コンテンツの的確な運用に力を注ぐことが重要です。

また、正当な評価ができるように、①学習、②確認テスト、③考査テスト(ポストテスト)、の流れの中で、学習の成果はどのような場合に出やすいのか、統計を取りながら検証して進めています。方法論としては、ADDIEモデルという学習の手法を使って学習プログラムを構築しています。

北村 : もう1つ考慮しなければいけないのは、オンライン学習は孤独であるということです。大学院などにはチュータ制度が整っていますが、オンライン学習にもフォローする体制が必須です。

技師会には、認定資格制度がありますが、これらは資格更新制です。更新要件にチュータ制度を導入することで、インセンティブを与えられるのではないかと検討しています。そのような役割づくり、環境づくりが重要です。つまり、リアルの世界でのフォローが欠かせないということです。ここが整わないと安心して受講してもらえないと考えています。

e-Learningは、運用面からみると管理しやすいシステムです。誰がいつ学習して、いつテストを受けているかなど、データでみられます。だからこそ、それら情報を受講者にいい形でフィードバックしていくことが大切になるとつくづく考えさせられました。


ニーズ分析はどのようにするのですか?

北村 : 「学習」 を、ニーズを満たすための活動と捉え、そのニーズを明確にするとともに、ニーズが満たせたかどうかを学習の評価とすることにより、学習の目的と評価を的確にします※1。資格を取得した技師が何を求めているのか、的確に把握できていなかったのが現状でした。試行錯誤の中から、学習目標や行動目標を一覧表にしていくことで、何を求めているのか少しずつ見えてきました。

たとえばX線CTについて、学習目標を40項目ほど設定し、その項目が 「できる」 か 「できない」 を自己診断できる体制が整いました。この 「できない」 に該当する項目が、受講者のニーズです。このニーズを満たすカリキュラムを受講者に提供してことが求められることですし、効果的なe-Learningにしていくキーポイントだと考えています。

紆余曲折はありましたが、教育プログラムの内容明示と、受講成果の対比が明らかになってきました。私としては、これが一番の成果ではないかと考えています。

※1 NIME(現:放送大学ICT活用・遠隔教育センター)の 「実践インストラクショナルデザインコース」 から引用。


ニーズ分析は膨大な作業になりませんか?

木村 : 本来放射線技師の免許自体が広範囲にわたる職務からなっていますので、個人としても継続して学習していかねばならないものです。当会の “生涯学習システム” とはそういう基本に立ち提唱されています。大がかりな作業とシステム構築への投資は避けられません。

このシステムは会員だけではなく、現在45,000人いるすべての診療放射線技師を対象に考えられていかねばなりません。そのためにも、まず普及させることが第一です。受講してもらわなければ始まりません。


今後の進め方を聞かせてください

木村 : 日本放射線技師会の生涯学習システムのファーストステップとなるアドバンスド放射線技師格を取得するための看護学、医療社会倫理学、救急医療学、医療安全学のセミナーから、e-Learningへ移行させていきます。将来的には、臨床技術能力検定、通常セミナーなどで、学習と評価を一体化させたオンライン学習のしくみを構築します。

北村 : これを機に、学習目標、行動目標を見直すことができました。これまでも、受講者や彼らを送り出す病院からは 「受講すると何が得られるか」 という質問をたびたび受けてきましたが、モダリティごとに何を習得すべきか明文化することができました。つまり、これによりオンライン評価へつなげる道ができたことになります。現在、本会が進める技師格制度、認定資格制度をリンクさせて作っています。

今後は、学習支援のための新たな仕組みを導入することを考えています。最近、SNS(ソーシャルネットワーク)を交えてe-Learningのサポート体制を敷いているところが出てきています。SNSが学習支援には有効だと考えています。






施設紹介記事は 「映像情報メディカル 2009年7月号」 で掲載!