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本誌立ち読み 「私の履歴書」 第2回    -2009年4月号掲載-


「私の履歴書」 第2回

世界に伍してグローバルな事業を展開する同社。そのトップリーダーである小松研一氏は、はたしてどのような青春時代をおくってきたのだろうか。「辛く厳しい山道を選んで進む」 。その言葉は若い人に限らず、いま悩み苦しむ人々にも大いなる活力を与えてくれることだろう。


1. 小学校から高校時代 ~ 『割り切れること』 が好きだった

戦後、東京から北海道の地に移ってきた小松家。「小学校入学前は、ニセコの真ん中にある、温泉で有名な昆布という町に住んでいました。遊びといえばとにかくスキー。自宅から 『行ってきまーす!』 とスキーを履いて出かける感じでしょうか」

小学校に入る頃、一家は小樽に移転する。小樽は港町で、人が暮らす、すぐそばまで山が迫る。「坂のきつい、しかし実に美しい街です」 。氏は就職する28歳までをこの地で過ごす。「小学5年の頃には少年スキーチームに入っており、スキー漬けの毎日。勉強した記憶はほとんどなかったですね(笑)」

そんな同氏が高校で理系に進んだのは、「 『割り切れること』 が好きだったからです」 。「ただ、中学での数学、理科の教科書はわかりにくい。授業でも論理的な説明がない。総論から各論へ論理的に説明してくれればいいのに、各論だけがそれぞれ独立し無関係であるかのように、ぶつ切りで説明してしまう。これでは生徒は混乱してしまいます。そこで中学3年の夏、教科書をもとに自分のための解説書をつくったのです。これは高校に進んでからも自分の礎となってくれました」


2. 高校から大学へ ~ スキーがもつ他のスポーツと一味違う魅力

大学受験のときは、まさに学生運動花盛り。「一浪した1969年の受験は東大入試が行われなかった年でした――例の安田講堂の年です。この年は全国の国立大学の競争率が急激に上がりましたが、母親から地元の大学をといわれたこともあり、北海道大学一本に絞りました」

大学に入ると、学生運動が地方に展開していた時代。バリケード封鎖によって入学式が粉砕され、講義も秋まで行われることはなかった。「講義も受けられないし、自分が損をしている気がしたんです。そこで自分たちで勝手に集団をつくり、専門課程の物理学科の教授に講義してもらうなど、教養課程の頃からゼミ的な雰囲気にふれることができたり、カナダから来ていた先生に、独自に英語の授業をしてもらったり。こんな時代だったからこそ逆に 『開かれた交流』 ができたのだと思います」

そして学外活動で選択したのはやはりスキー、それも基礎スキーだった。「私の1、2年先輩が創立した北大基礎スキー部に入り、スキー連盟の教程本に登場するお手本、基準を満たす滑りを身につけたデモンストレーターをめざしました。冬山合宿もあって、かなりハードな活動でした。1年のうち80日以上は山に入っていたと思います」

そのスキーがもつ、他のスポーツと一味違う魅力は何だろうか。「スキーで滑るのはたしかに楽しい。だけど、その楽しさのためには、登らなければならない。苦労しなければ楽しさが味わえないところ、かけ引きがない代わりに代償が必要であるところが、スキーが他のスポーツと一線を画している点じゃないでしょうか――子供の頃なんか、リフトを使って滑るなんて考えられませんでしたから。夏スキーだと、4kmのダウンヒルを滑るためにはその4kmを登らなければならず、それには半日かかる。朝、弁当を背負って登って、上に着いてそれを食べ、そこから一瞬のうちにドーンと滑り降りてくる。で、もう1、2回それをくり返す。だけど本当に爽快でした」


3. 大学から社会人へ ~ 医用画像診断黎明期に身を投じる

教養課程から専門課程に進む2年の夏。「友人と2人で、1人30kg以上の荷物を背負い、ニセコの山奥チセノプリ山の沼のほとりにテントを張り、将来の進路について語り合ったんです」 。電気回路は嫌いで、やりたいのは電子物性。テントでの食事の後に1時間かけて麓まで降り、ユースホステルの温泉に入り、ご主人と飲んで語って、夜の10時ぐらいにまた登っていくという毎日をくり返す。そんな、現実から隔絶した中で 「夢を追いすぎないように、役に立つことをしよう」 と決心。工学部の電子工学科を専攻分野として選択する。

そして専門課程で選択したのは、『Medical Telemetryのセンサの研究』 。前年までドイツで高名な学者と共同研究していた国際派の教授に師事することにした。「その頃からMedical関連の仕事に就くような予感はありましたね」 ・・・ <続く>




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